どんなに運動をしても座りっぱなしが長いと死亡率が上がる!?

座りっぱなしは良くないとよく聞きますが、実際に座っている時間が長い人は、そうじゃない人に比べても2倍の死亡リスクが上がることが分かっています。座りっぱなしだと死んじゃう!?こちらの記事では研究結果をもとに座りっぱなしの時間(座位時間)と死亡リスクの関係を考察していきます。

 

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運動する時間増やすよりも、座っている時間を減らす方が効果的!?

2010年米国人12万人以上を対象に総運動量と余暇の座位時間が死亡率に与える影響を検証した研究(※1)で、運動量が最も多い群でかつ余暇の座位時間3時間未満が最も死亡率が低く、これを基準とした場合、運動量が最も少なくかつ余暇の座位時間が6時間以上だと、死亡率が2倍になることが証明されています。また同研究では、死亡率に関する運動と座っている時間の相関性はあまり見られないと結論づけられており、運動の量を増やすよりも、座っている時間を減らす方がよっぽど重要とされてういます。また別の研究(※2)では1日に11時間座っている人は、どんなに運動をしていても3年以内の死亡リスクが40%高くなることが分かってます。

 

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座っている時間に比例して上がる病気について

座位時間と死亡率の関係のなかで、心臓病や血液の病気などの循環器疾患が原因となる割合がガンよりも強く示されているようです。座りっぱなしだと、血流が滞るイメージがあるので何となく分かる気がしますね。また、死亡率だけでなく、ガンや動脈硬化性疾患の発症、糖尿病など生活習慣病の発症が明らかに増加する事が証明されています。最近の研究では、アルツハイマー認知症も増えるということが分かってきてます。日本人の座っている1日の時間は8時間~9時間で世界で最長です。働きすぎだし、座りすぎ。食生活を変えるとか運動時間を増やすことも大事ですが、座りっぱなしの時間を減らしてあげる方がより効果的かつ簡単な方法かもしれません!とはいえ、日本社会で立ちながらPC作業をするのはどうしても難しいという場合もあると思います。その場合は、貧乏ゆすりや足をぶらぶらとさせるだけでも効果はあるということなので、とにかく「じっと動かず座る」ということを辞めて自分の生活の中で「座るよりなるべく立ってやる、立ってやるより歩きながらやる」ような行動を日常生活にとりれていきたいですね!

 

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参考文献

1.Patel AV, et al. Leisure Time Spent Sitting in Relation to Total Mortality in a Prospective Cohort of US Adults. Am J Epi 2010;172:419

2.Sitting Time and All-Cause Mortality Risk
in 222 497 Australian Adults
Hidde P. van der Ploeg, PhD; Tien Chey, MAppStats; Rosemary J. Korda, PhD;
Emily Banks, MBBS, PhD; Adrian Bauman, MBBS, PhD Arch Intern Med. 2012;172(6):494-500. doi:10.1001/archinternmed.2011.2174

3.Biswas A, et al. Sedentary Time and Its Association with Risk for Disease Incidence, Mortality, and Hospitalization in Adults. Ann Intern Med 2015;162:123